足首の捻挫は、スポーツで最も多くみられるケガの一つです。
この記事では、足首の捻挫の原因や症状、治療や予防について、一般の方に分かりやすく解説します。
スポーツでよくある足首の捻挫
足首の捻挫(ねんざ)は、足首をひねって靭帯が伸びたり、断裂した状態をいいます。
一般的にも起こるケガですが、特にスポーツの場面で多くみられます。
どんな部分を傷めるの?
内側に捻ったときと外側に捻ったときで傷める部分が違います。
多いのは内側に捻る「内反捻挫」で、その際に傷めやすい靭帯は主に2つです。
- 前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)
- 踵腓靭帯(しょうひじんたい)
捻挫の中で一番多いのは、外くるぶしの近くにある前距腓靭帯の損傷です。
これは内側に捻ったときに起こるケガです。
外側に捻った時は別の部分を傷めます。
混同しやすいの別の負傷では、二分靭帯や前脛腓靭帯、リスフラン関節の損傷があります。
また、くるぶしや足の甲の外側に骨折を起こすことがあります。
これらは別の回で紹介します。
どうやって捻挫が起きるか
スポーツでは主に、こんな時に足首を捻ります。
- プレー中に体勢を崩したり、接触してバランスを崩す
- ジャンプの着地に失敗する
- 道路を走っていて段差を踏み外す
足首の捻挫の症状
- じっとしていても痛い(ジンジン・ズキズキ)
- 動かすと痛い・動かせない
- 特に損傷した靭帯部分を押すと痛む
- 腫れと炎症
- 足首の不安定感
- 内出血(1日~数日後に現れる)
- 足首の動きの制限(回復期に現れる)
全ての症状が現れるわけではなく、程度や傷めた部分によって異なります。
症状から自己診断する事は避けましょう。
症状の鑑別
症状を見分ける方法は、①臨床評価 ②画像診断です。
①臨床評価
見た目の変化や、触って痛いところ、どう動かすと痛いか等が判断基準です。
また、骨折を疑う際の基準として「オタワ・アンクルルール」というものも有用です。
②画像検査
病院では、X線・MRIなどで検査を行います。
接骨院でも、超音波画像装置で調べられる施設が増えてきました。
ご自分で患部を観察することは大事ですが、安易な自己診断は避けて、病院や接骨院を受診するようにしましょう。
治療
治療方法は、ケガ(靭帯損傷)の程度に応じて異なります。
靭帯損傷の程度は、3段階で考えます。
- グレード1(軽度):RICE処置(安静、氷冷、圧迫、挙上)、包帯などによる軽度の患部固定(2~3日から一週間)
- グレード2(中程度):上記に加えて、プラスチックギプスなどを使った固定(1~2週間)
- グレード3(重度):ギプス固定(2~3週)場合によっては手術が必要
スポーツのケガの場合は、負傷初期から機能訓練を行います。
床に置いたタオルを足指でたぐり寄せるなど、足首は動かさないで行えるものから始めます。
スポーツ外傷の場合、治療そのものより「治療の計画」が大事だと私は感じます。
いつから、どのくらいの練習が出来るのか予定を立てておきましょう。
指導者の方と話し合って、適切なタイミングで練習再開できるようにしたいですね。
予防
足首周辺の靭帯は、足首の安定性を保つうえで重要です。
日常生活を送るだけの場合と違って、スポーツでは負荷の大きい動作が要求されます。
足首を捻りやすくなる、いわゆる「捻挫ぐせ」状態にならないために、専門的な運動療法が必要です。
また、適切な治療と機能訓練が行われないと、足首が硬くなります。
足首の硬さのせいで、全身の使い方が変わってしまう事もあります。
足首の捻挫は一般的に起こりやすいケガですが、きちんと治療する事が大事です。
まとめ
足首の靭帯損傷は一般的なスポーツ外傷です。
適切な治療と予防策を講じることで、ほとんどの人が完全な回復を遂げることができます。
負傷初期の適切な処置と、計画的な治療・復帰を心がけましょう。
再負傷や「捻挫ぐせ」には気をつけてくださいね。
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この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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