さいきん交通事故で体を傷められた方はいらっしゃいますか？
その方は、ご自身の予想通りに治ってきていますか？
自動車の重さは軽いもので1トン以上あり、交通事故の外傷では体に大きな外力が加わります。
そのため事故当初に患者さんが思っていたよりも、治りに時間がかかる事もあるのです。
中には、ご自身の経過予測と違うために「治りにくい」「ぜんぜん治らない」と思い込んでしまう患者さんも多いです。
とくにムチウチ症状の患者さんがその傾向が大きいです。
治療を開始してから「思ってたのと違う」とならないよう、交通事故治療について予め知っておくと良いですね。
という事で、今日は交通事故治療の詳しいことを分かりやすくお話ししていきます。
交通事故の質の変化
先進安全装備を搭載した車が多くなり、交通事故の件数は減りつつあります。
平成20年に76万件以上あった交通事故は、令和4年には約30万件と半分以下になりました。
軽微な追突事故などが少なくなる一方で、おおきい事故の割合が増えました。
ドライバーの健康状態に起因するものや、高速走行中の事故です。
私も、にいさと接骨院で交通事故の治療をしており、治療上必要なので事故の状況は聴取します。
やはり交差点での軽い追突などは少なくなったような肌感覚があります。
反対に、幹線道路・高速道路での事故や、自動車と歩行者のあいだの事故も割合が多くなったと思います。
交通事故で多いのはどんなケガ？
交通事故で多いケガは次のようなものです。
- むち打ち（首のねんざ）：事故の時に首が急激に前後に動くことで捻挫します。首の神経を同時に傷める事もあります。
- その他のねんざ：手首や腰・肩関節など、関節に急激な外力が加わっておこります。
- 骨折：肋骨や鎖骨、手足などに生じます。運転席の前方にぶつけて骨折する事が多いです。
- 打撲（挫傷）：同じく車内の硬い部分やシートベルトにより打撲します。
接骨院の治療で多い順番は、①捻挫(首のムチウチ含む)、②打撲、③骨折です。
ほかにも、接骨院では関わりませんが、次のようなケガもあります。
- 頭部外傷：頭をぶつけることでおこります。脳震盪や頭蓋骨骨折、脳内出血など。
- 切り傷・擦り傷：車内の硬い部分やガラスの破片でおこります。
- 内臓損傷：衝撃が強い場合、内臓がダメージを受けることがあります。
交通事故の治療はどんなことをするの？
接骨院での捻挫や打撲・骨折に対する治療はこのような内容です。
初期治療: 症状を悪化させないよう患部を安静にします。頸椎カラーや包帯を使う事もあります。
炎症を抑えるアイシングは負傷初期の痛みを和らげてくれます。
物理療法: 超音波や低周波など、各種の電気治療は痛みの緩和に効果があります。
手技療法: 治りかけの時期は、傷めた関節が硬くなり、辛さを感じます。それを手技療法によって改善します。
骨折の場合、ギプスやスプリントで骨を固定しますが、日常のケガと違って、交通事故ではすでに病院で固定されていることが多いです。
その後、痛みの緩和や固まった関節を回復するために、治療を依頼されることがあります。
病院との大きな違いは、痛み止めなどの薬剤が処方できない事です。
そのぶん別の方法で痛みの緩和に努めます。
たとえば、負傷初期のアイシングや、回復期の温熱療法は痛みを緩和する効果があります。
また、回復期の手技療法に力を入れている接骨院も多く、病院とはちがった治療内容を期待できます。
病院と接骨院、両方に通院している患者さんも多いです。
いつごろ治る？ ムチウチ・骨折・打撲
ケガが治るまでの期間は、どんなケガか、重症度、回復力によって違います。
以下に、一般的なケガの治癒期間の目安を示します。
1. ねんざやムチウチ
軽度: 数週間から1ヶ月程度で回復することが多いです。
重度: 数ヶ月かかることがあります。慢性的な症状が残る場合もあります。
2. 骨折
骨の部位によりますが、通常は6〜8週間で骨が癒合します。その後の機能回復に数カ月かかる事があります。
ただ、重大事故で複数カ所の骨折がある場合は、完全な回復に年単位を要する事もあるようです。
3. 打撲（挫傷）
数日から1〜2週間で治癒することが多いです。なかには組織を強く損傷する打撲があり、その場合は月単位の治療が必要です。
このように、たとえば同じムチウチでも、ぶつかった速度など外力の強さによって重症度が変わります。
また年齢や体力によって回復力も違いますし、日常生活や仕事でどのくらい負荷がかかるかも治りの良し悪しに関係します。
治療をする医療従事者は、経験から治るまでの期間をある程度予測しています。
もし、いつ治るかが重要な場合には、訊ねてみるのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか？
ひとくちに交通事故のケガといっても、ケガの内容や重症度によって、治療方法や必要な期間は様々です。
軽度のケガであれば数日から数週間で回復することが多いです。
重度のケガの場合や、事故後に仕事などで身体に負担をかけざるを得ない場合は数ヶ月の治療を要する事もあります。
治療を受ける際には、医療従事者の提言を理解し、適切な治療を継続することが重要です。
この記事をみているアナタのケガが、一日も早く良くなりますように。
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この記事を書いたのは…
田中陽祐（たなかようすけ）
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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