皆さんはムチウチになった事がありますか?
ムチウチは、他のケガよりも治るまでに時間がかかる場合があります。
また治り方も、症状が完全に緩解とはなりにくいようです。
「あの時のムチウチ以来、無理をしたり冷えると何となく首が調子が悪い」のような話はよく聞きます。
そうならないためには、ムチウチがどういう状態なのかや、対処法をよく理解する必要があります。
きょうは、ムチウチについて分かりやすく解説します。
ムチウチはどんな風に起こるか
首に強い衝撃が加わって起こります。たとえば次のような場面です。
- 交通事故・・・
- 日常生活での転倒や転落・・・雪道での転倒や高所からの転落。
- スポーツでの衝突や転倒・転落・・・コンタクトスポーツや、ジャンプ・体の回転を伴うスポーツ
その時、首には次のような外力が連続して加わります。
- 突然の衝撃:ムチウチは通常、前方や後方からの衝突で発生します。
- 首の過度な伸展:衝撃により、頭部が後方に反動し、首が通常の範囲を超えて後方に伸展(反る)します。
- 首の過度な屈曲:続いて、反動で頭部が前方に強く振られます。このとき、首が過度に屈曲(曲がる)します。
これらの外力は非常に強いもので、長期化しやすいです。
むちうちの症状
ムチウチの症状といっても、単純に痛みや動かせなくなるだけでなく、様々な症状があります。
- 首や肩・背中の痛み:首から肩の上部・背中の上部に痛みが生じる。
- 筋肉のはり感:上記の部分がはっている・こっている感じになる。
- 腕や手のしびれ:神経が圧迫されることによって、腕や手にしびれやチクチク感が現れることがあります。
- めまい・耳鳴り:首にある交感神経が刺激されて起こることがあります。
- 頭痛:首の筋肉が過度な緊張になり頭痛が起きることがあります。
- 倦怠感:強度のムチウチの際に、全身の倦怠感(けんたいかん)を感じることがあります。
むちうちに合わせて起こる合併症
上記のムチウチの症状のなかでも、腕や手のしびれはムチウチの合併症です。
頸椎(首の骨)の側面の隙間から、腕や手に向かう神経が出てきています。
それらの神経が傷ついたり、つよく刺激される事で、腕・手にしびれやチクチク感が現れます。
また、バレ・リュー症候群という合併症があり、これらは目眩(めまい)や耳鳴りが生じることがあります。
これは、首をいためた際に、周辺にある交感神経が刺激されて起こるものです。
どんな治療を行うか
ムチウチの治療法は、症状の重さや個人の健康状態により異なりますが、一般的な治療方法は以下の通りです。
- 安静:急性期には首を休めることが重要です。過度に動かさず、安静にすることで回復を促します。
- 冷却・温熱療法:初期には冷却パックを使って炎症を抑え、その後温熱療法で血行を促進します。
- 鎮痛剤や抗炎症薬:痛みや炎症を和らげるために、医師から処方された薬を使用します。
- 理学療法:理学療法士によるマッサージやストレッチ、運動療法を受けることで、筋肉のこりや緊張をほぐします。
- 首のサポート:首をサポートするためのコルセットやブレースを使用ししっかりと固定することもありますが、長期間の使用は避けるべきです。
日常生活での注意点
ムチウチの症状がある場合、日常生活で以下の点に注意することが重要です。
- 無理をせず、体をいたわること。
- 重いものを持ち上げることを避ける。
- 長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用は首や腰へのストレスが強いので長時間の使用を控える。
- 姿勢を正しく保つよう心掛ける。
まとめ
ムチウチはとても長期化しやすい捻挫の1つです。なので適切な治療を受けずいると、最初は平気だったのに、後々の日常生活に支障が出ることもあります。
交通事故やスポーツ等でぶつかってしまったなどがあった場合は、なるべく早く近くの病院や接骨院を受診してください。
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この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。