ジャンパーズニー(膝蓋腱炎)について3分で分かりやすく解説


成長期のスポーツ選手にとって、ヒザまわりのケガや障害はよくあります。

 

膝関節の周辺では、さまざまな組織が傷ついたり、炎症をおこします。

 

今日はその中でも発生頻度の高いジャンパーズニー(膝蓋腱炎)について分かりやすく解説します。

 

なお、この記事は自己診断を推奨するものではありません。

 

症状を悪化させないように、ケガの内容をよく知って、早期受診してくださいね♪

膝蓋腱炎(ジャンパーズニーとは)

ジャンパーズニーで痛む部分
ジャンパーズニーで痛む部分

ジャンパーズニーとは、ひざのお皿の骨(膝蓋骨と言います)のまわりが痛くなる障害です。

 

図のように、膝蓋骨のすぐ上や下が痛みます。

 

多くはスポーツ選手に発生し、若い選手とくに15歳~18歳くらいの年代に多いです。

 

競技では、バスケ・バレーボール・サッカー・陸上競技でよくみられます。

 

同じ原理で起こるオスグッド・シュラッダー病は、10~15歳くらいの年代に発生します。

オスグッド・シュラッダー病についても、今後別の記事で解説します。

ジャンパーズニーの症状

症状が軽度であれば、プレー時間の後半や、プレーの直後に軽い痛みを感じる程度でしょう。

 

悪化していくと、プレー中ずっと痛い状態になります。

 

症状が強い場合、プレー以外の日常生活でも痛みが現れます。

 

階段の上り下りで痛んだり、通常の歩行でも痛みを感じるようになるでしょう。

治療や運動中止の目安とするため、判断基準をもって症状の程度を見分けると良いと思います。

 

たとえば次の3段階のように分けられます。

  • フェーズⅠ・・・プレー中や直後に痛みがあるが、あまり運動には支障をきたしていない
  • フェーズⅡ・・・プレー中つねに痛みがある。運動に支障があり、周囲から見ても痛いことが分かる。
  • フェーズⅢ・・・Ⅱに加えて、運動中だけでなく、日常生活でも痛む動作があり、問題をきたしている。

このように分けることで、治療の仕方や、運動休止/復帰の期間について目途が立ちます。

ジャンパーズニーの原因は?

ジャンパーズニーでは、主に膝蓋腱(しつがいけん)を傷めます。

 

膝蓋腱はももの前側の筋肉(大腿四頭筋)から続く組織です。

 

大腿四頭筋が、だんだん腱に変わっていき、お皿(膝蓋骨)の下方で膝蓋腱になり、脛骨(けいこつ)に付着します。

 

大腿四頭筋は、張力(引っ張る力)がとても強い筋肉です。

 

くり返し何度も引っ張られることで、微細な損傷が積み重なり、膝蓋腱に炎症を生じます。

ジャンパーズニーの原因
ジャンパーズニーの原因

また、同じ練習をしていても発症する選手と発症しない選手がいます。

 

それは、選手個人の体の発達や体力の状況や、体の使い方に左右されるからだと言えます。

 

体の使い方というのは、柔軟性や体幹の安定性、動作の協調性などです。

 

ジャンパーズニーにおいては、治療・再発予防の面で、体の使い方の見直しが重要です。

↓ジュニアアスリートの運動発達についての記事もありますので、良かったら見てくださいね。

膝蓋腱炎(ジャンパーズニー)の治療方法は?

ジャンパーズニーの治療で有効なのは次のような治療です。

 

状況に応じて、複数の治療法を組み合わせて治療します。

  • 安静と休息:症状が強い場合、運動中止、もしくは量を減らす事が早期回復に繋がります。
  • アイシング:膝蓋腱炎に対してはとても有効です。その場の痛み緩和だけでなく、早く治すうえで重要。
  • 物理療法:超音波や低周波が痛みの緩和に有効です。
  • 運動療法:柔軟性や体幹の安定性、動作の協調性などの見直しが必要なことが多いです。
  • サポーター:スポーツ復帰時には、再発予防のためにサポーターを使う事も有効です。

またスポーツを継続して良いか、または治療後の復帰の目安として、上記のフェーズ分けが有効です。

 

次のように考えてみるのが良いと思います。

  • フェーズⅠ:治療を受けつつ、アイシングやプレー前後のストレッチを徹底すれば運動を継続可能。
  • フェーズⅡ:フェーズⅠになるまでジャンプやダッシュなど急激な動作を禁止し、上記の処置を行う。
  • フェーズⅢ:2週間ほど競技を止して治療。その間は、再発予防のため運動療法で体の使い方を改善する。

治療上も練習復帰後も、アイシングなどの自己管理がとても重要になってきます。

 

正しく効果のあるアイシングを出来るように、セルフケアを学んでください。

 

下の記事では、アイシングの仕方について、動画付きで分かりやすく解説しています。

ジャンパーズニーの再発を予防するには

ジャンパーズニーは、症状が長期化したり、再発しやすいタイプの故障です。

 

次のような事を心がけて、再発予防に努めましょう。

  • フェーズに合わせたメニュー管理と、段階的なスポーツ復帰。
  • 復帰後もウォームアップ・クールダウン・ストレッチを充分に行う。
  • 体の使い方を見直すトレーニング(メディカルスタッフやトレーナーによるサポート)。
  • 競技環境の見直し(シューズや走る路面が硬くないかなど)
  • サポーターやテーピングの利用

まとめ

いかがでしたか?

 

ジャンパーズニーは、スポーツを盛んに行う10代半ばに多く発生します。

 

珍しくない障害ですが、きちんと管理しないと長く練習を休むことになります。

早めの受診を心がけて、より良い競技生活を送れるようにしてくださいね!

この記事が面白かった方は、Googleマイビジネスの☆評価をして頂けますと頑張れます!

質問やコメントもそちらからお願い致します。

スポーツのケガなら桐生市新里町の「にいさと接骨院」へ。

桐生市、みどり市、伊勢崎市の赤堀地区や前橋市の粕川地区からの患者様が多い接骨院です。

ジュニアアスリートの競技用トレーニングなら、からだラボの「あすトレ」。

体の使い方を修正して、痛みの出ない体を作り、パフォーマンスにつなげます。

この記事を書いたのは…

田中陽祐(たなかようすけ)

 

柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。

包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。



このブログの内容を他の人にシェアしたい時はこちらからどうぞ。