円板状半月板による膝の痛みについて【やさしい解説】


前回の記事で、膝のねんざ(靭帯・半月板損傷を含む)についてお話ししました。

 

その中で「円板状半月板(えんばんじょうはんげつばん)」という先天的な形状変化について軽く触れました。

 

今回は、その「円板状半月板」のお話です。

 

あまり発生頻度が高くないですが、小中学生のスポーツのケガに紛れている事があります。

 

小中学生くらいで、膝の外側を痛がる子がいたら、見逃さないように注意した方が良いです。

ちなみに前回の記事はこちらです↓

円板状半月板とは?

膝関節の半月板の図
膝関節の半月板の図

図のように、膝の関節には「半月板」というものがあり、大事な仕事をしています。

 

上にある大腿骨(ももの骨)と下の脛骨(すねの骨)が上手にかみ合うための調整役です。

 

半月板には、内側半月板と外側半月板があります。

 

上の図では、どちらもアルファベットの「C」の形をしていますね。

 

これがC字状ではなく、ディスク状の形になっているのが「円板状半月板」です。

 

内側よりも外側半月板に多く起こるといわれます。

円板状半月板は、先天的な理由(生まれつき)で起こるものです。

 

アジア人では数パーセントから十数パーセントの人に起こるようです。

 

円板状半月板の人でも、痛みが起こらない事も多いです。

 

円板状半月板の症状

半月板が円板状のかたちをしていると、関節のかみ合いが悪くなります。

 

それにより、次のような症状がおこります。

  • 痛み:運動時に痛く、特に膝の曲げ伸ばしで痛い。
  • 引っかかり感:膝の曲げ伸ばしの際に引っかかるような違和感が生じる事があります。
  • ロッキング:半月板が完全に引っかかって、曲げ伸ばしが出来ない状態になります。
  • 膝に水がたまる:膝関節に水が溜まって腫れる(はれる)症状がでます。
  • 膝の筋力低下:ももの大腿四頭筋が筋力低下して、見た目にも細くなることがあります。

円板状半月板の方でも無症状の方も多くいます。

 

症状が最初に発生するのは、小学校高学年~中学生くらいでスポーツを始めた時に多いです。

検査と治療

半月板が傷ついていないかの確認は、徒手検査でもできます。

 

それ以上の詳しい状態のを把握には、MRIでの検査が必要です。

 

ひざの検査方法について、詳しくはこちらも参照してください↓

治療については、保存療法と手術療法があります。

 

保存療法では、装具をつかったり、包帯と固定材料で患部の安静を保って自然治癒を待ちます。

 

病院では炎症を抑える薬を出してくれることが多いです。

 

腫れや痛みがある場合は、自分でもアイシングをしっかりすると良いでしょう。

 

装具による膝関節の保存療法
装具による膝関節の保存療法

まずは保存療法での経過観察が優先されます。

 

保存療法で良くならないものや、くり返し症状が現れる場合には手術療法が選択されます。

 

手術療法では、ディスク状の半月板を「C」の字に近いかたちに形成する手術が主流になっているようです。

スポーツへの復帰にはどのくらいかかる?

保存療法で効果が出るのであれば、膝のねんざと同じような治療期間になるでしょう。

 

ひざの捻挫は3~6週くらいで元の競技に戻れる場合が多いです。

 

再発しないように、治療期間を使って体のコンディションをしっかり見直した方が良いでしょう。

 

手術療法でも3カ月くらいで軽めの運動ができ、6カ月ほどで競技復帰できるようです。

 

わたしが関わったことのある選手も、概ねそのくらいで復帰していました。

 

円板状半月板の症状再発を予防するために

再発の予防には次のような方法があります。

  • サポーター・テーピングの利用:膝への負荷を軽減したり、動きをサポートしてくれます。
  • アイシング:手術後の例でも、ハードな運動や軽めのケガで膝が腫れる事があり、アイシングが有効です。
  • 体の使い方の見直し:専門的なトレーナーやコーチに相談しましょう。

膝を傷めた後は、セルフケアが必要なことが多いでしょう。

 

人にやってもらうだけでなく、テーピングやアイシングなどは自分でも出来た方が良いです。

 

トレーナーやコーチに教えてもらいましょう。

また、膝の既往歴のある選手は、無意識のうちに動作に問題が生じていることが多いです。

 

それが、さらに膝に負担をかける要因になる事もあるので、専門的なトレーナーにみてもらいましょう。

トレーナーによる指導
トレーナーによる指導

まとめ

 小学校高学年・中学・高校では、それぞれのプレー期間が3年しかありません。

 

 

その中で、半年のあいだ運動に制限があるのは大変なことです。

 

ただ、ケガというのは悪い事ばかりではありません。

 

一つには、ケガをとおして自己管理の意識が身につくこと。

 

体の使い方にも興味が出てきて、今まで何気なくやっていた事の意味に気づくでしょう。

 

もう一つは、プレー環境の外からチームメイトを見られること。

 

チームメイトやチーム全体を客観的に見て、自分の存在意義を見出せるでしょう。

 

ひざの怪我は大変なことですが、負けずにスポーツを楽しんでくださいね。

様々な競技のジュニアアスリート
様々な競技のジュニアアスリート

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この記事を書いたのは…

田中陽祐(たなかようすけ)

 

柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。

包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。



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