今回は「ニーイン」について分かりやすく解説します。
この記事にたどり着いた方は、膝や脚まわりの故障でお悩みの方でしょうか?
それとも競技パフォーマンスを向上したい方でしょうか?
ニーインの改善は、ケガ・障害の予防になり、パフォーマンスも改善します。
できるだけ専門用語を使わず、分かりやすく解説しますので付いてきてくださいね!
ニーインとはどういう現象か?
「ニーイン」とは、スポーツ動作に膝が内側に入ってしまうことを言います。
本来、体重がかかっている方の脚は、各関節が一直線になっている方が良いのです。
主に、走る時・止まる時・ジャンプの着地のときに起こります。
極端になれば、日常生活動作でもその傾向が起きるでしょう。
下の写真を見てください。
画像の左側が良い状態、右側がニーインです。
良い状態の時は、股関節・膝関節・足関節が一直線上にあります。
ニーインしていると、膝が内側にずれていることが分かります。
選手にランジ(上の写真)や、片脚でのデッドリフト(下の写真)をしてもらうと評価しやすいでしょう。
立って静止した状態で評価する事もありますが、動きの中で評価する方が良いと思います。
ちなみに私は左脚がニーインしやすいので、気を付けてトレーニングしています。
ニーインはどんな症状に繋がるか
動作中に膝が内側に入ると、外側からの力に弱いのは想像できますか?
たとえば、相手選手と接触したとき。
膝がぐにゃっと内側に曲がってしまいますよね。
これによって、膝をねんざ(靭帯や半月板の損傷を含む)しやすくなります。
また、外からの力を受けた時以外にも問題は生じます。
ニーインによって膝の関節だけでなく、すねや足首・足部にも、常に内ねじりの力が加わります。
たくさん走れば、負荷はそのぶん蓄積し、脚のスポーツ障害に繋がります。
膝蓋軟骨軟化症やシンスプリント、足首や足部の痛みなどです。
ニーインの状態では、下半身で生み出した力をうまく伝えられなくなっています。
様々な痛みや状態不良もふくめて、発揮されるはずのパフォーマンスを損なっている可能性も高いでしょう。
もちろん、それらが全てニーインによるものとは断定できません。
ただ、トレーナーや治療をする立場としては、チェックしておきたいところです。
ニーインが起きる原因
ニーインが起こる原因は、人により千差万別です。
一概には言えませんが、考えうる原因をいくつか挙げてみましょう。
誤解をいとわず、とても簡単に言います。
- 過去にケガをした事があり、それにより体の使い方が悪くなっている。
- どこかの関節が硬くて、正しく体を使えない(股関節や足首だけでなく、上半身に問題がある事もある)
- 股関節やお尻の筋肉で体を支えらない。
- 体幹や骨盤の安定性が足りない。左右差がある。
- ニーインするような体のコントロールの仕方が身についてしまっている。
これらは無意識に起こっている'動き'のエラーです。
そのため基本的に多くの選手はニーインになっている事には気づいていません。
無意識でのエラーを自分自身で修正する事はかなり難しく、トレーナーの助けが必要です。
ニーインの改善方法は?
トレーナーは、選手ひとりひとりの体を分析します。
なぜ体の使い方のエラーが起きているかを想定し、改善するためです。
そして手順を踏んで解決していきます。
選手が100人いれば、エラーも100通りです。
なので、誰にでも当てはまる改善方法はありません。
それでも一応基本的な考え方を記してみます。
これらはごく一部であり、トレーナーの間でも様々な意見がある事をご了承ください。
- 全身の動作を評価する。
- 動きの悪い関節があれば、動きをよくする(可動域の改善)
- 体の安定性を高めるエクササイズをする。
- 選手の体のコントロールの仕方をチェックし、修正する。
- 全身的なトレーニングにつなげる。
そのままトレーニングにつなげる事で、体の使い方を修正します。
トレーニング内容は例えば、デッドリフトやスクワット、その発展バリエーションなどです。
下の動画はトレーニングではないですが、こういうのが出来るかチェックする事も大事です。
トレーニングで身につけた基本的動作を、競技動作のスキルにつなげていきます。
その話について詳しく知りたい方はコチラをどうぞ↓
まとめ
今日は、スポーツのケガや障害に繋がることの多い「ニーイン」について解説しました。
できるだけ分かりやすく説明しましたが、少し難しかったでしょうか?
ニーインのような'動き'のエラーは「プレー中に意識して治す」ような問題ではありません。
自力での改善は難しいので、トレーナーを頼るべきだと思います。
私は選手の自主性とセルフケアを大事に考えています。
ただ、自力で出来ないところは気軽にトレーナーを頼れるような環境にしたいですね。
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この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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