小中学生によくある骨端症について分かりやすく3分解説


本日は、骨端症(こったんしょう)について解説していきます。

 

骨端症は、成長期の直前や途中によく起こる症状です。

 

小中学生になると、スポーツを始めたり、本格的に取り組みはじめますね。

 

そのため、運動による外力(物理的な負担)が加わって、故障のような形で発症する事が多いです。

 

この記事にたどり着いた方も、お子さんの骨端症に悩まされているのではないでしょうか?

 

できるだけ専門用語を使わず、3分ほどで読めるように解説しますので、気軽に読んでみてください。

具体的な骨端症の例

成長期に起きる具体的な骨端症の例として、次のようなものがあります。

 

それぞれ、起こりやすい年齢や性別が違います。

  • ケーラー病:就学前(3~7歳)の男子に多い。足部の痛み・腫れ(はれ)。歩くときに痛く、足を引きずる事もある。
  • セーバー病:成長期手前(8~12歳)の男子に多いが、女子も少なくない。カカトの痛み。運動時痛。
  • オスグッド病:ひざの下の痛み。両ひざの場合もある。身長が増加し始める年代に多い。男子に多いが女子も少なくない。
  • フライバーグ病:足のゆびの付け根が痛む。女子の方が3~4倍多く、12~18歳と発症年齢がやや幅広い。

ここでは成長期に起こるもので、とくに発生頻度が高いものを上げてみました。

 

これらの傷病・スポーツ障害には、成長期だけにみられる体の特徴が関係しています。

 

また、スポーツ活動をキッカケに起こる場合が多く、子供の体と運動の発達とも関係が深いです。

 

詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。↓

骨端症とはどういう状態か

骨端症を知るには「骨端線(こったんせん)」というものを知らなくてはいけません。

 

骨端線というのは子供の骨レントゲンを撮影した時に見られる線です。

 

下の図を見てください。

骨端線の閉鎖した大人のレントゲン画像
骨端線の閉鎖した大人のレントゲン画像
骨端線が残っている子供のレントゲン画像
骨端線が残っている子供のレントゲン画像

子供のレントゲン写真の矢印で示したところ、骨の端のほうに黒い線が見えるでしょうか?

 

これが骨端線です。

 

骨が途切れて、隙間が空いているように見えますが、そうではありません。

 

「成長軟骨板(せいちょうなんこつばん)」というレントゲンには映らない組織があるのです。

 

成長軟骨板は、骨の成長に大きく関わっているのですが、それ故に脆(もろ)い部分になっています。

 

成長軟骨板はたいていの骨にあります。

 

その中で、「たまたま運わるく」つよい負担がかかる場所にある成長軟骨板があります。


オスグッドやセーバー病を起こす骨端線は、筋肉の腱が付着する部分にあります。

 

そのためこれらの故障では、筋肉の柔軟性や、体の使い方が上手くいっているかのチェックが非常に重要です。

また、フライバーグ病を起こす骨端線は、着地時の衝撃を強く受ける部分になります。

 

フライバーグ病では、足のアーチの低下や偏平足などの問題を伴う事が多いです。

 

好発年齢・性別は、12~18歳の女子選手です。

 

持久的なトレーニングメニューを行う事も増えるため、くり返し不適切な接地をしていると骨端に負担がかかります。

 

復帰前には、スポーツ時の足の接地の仕方や、地面への力の伝えかたを考える必要があります。

詳しく知りたい方には、こんな記事もありますので読んでみてくださいませ↓

骨端症の治療と予防

骨端症の治療には次のようなものがあります。

  • 期間を定めてスポーツ中止、または運動内容を制限。
  • 症状がとても強い場合は、包帯や装具・足底板を使って患部を保護。
  • アイシング(治療としてもセルフケアとしても効果が高い)
  • 超音波や低周波などの物理療法

成長軟骨板が炎症を起こしていますので、スポーツを一時的に中止した方が早く治ります。

 

しっかり治療をすすめつつ、アイシングやストレッチなどのセルフケアも身につけましょう。

 

セーバーでは足底板、フライバーグではインソール、オスグッドではオスグッド・バンドを使うことがあります。

 

こういった装具は、痛みを我慢しながらプレーするためのものではない事を理解しましょう。

また、予防の為には次のようなことが有効です。

  • 柔軟性や体の安定性の見直し、体の使い方の修正やトレーニング
  • 計画的で段階的なスポーツ復帰
  • 復帰の際のサポーターやテーピング利用

症状が長期化したり、再発したりする症状ですので、体の見直しもとても重要です。

 

積極的にコーチやトレーナーの力を借りるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

 

骨端症は、ジュニアスポーツにかかわる仕事をしているとよく見る症状です。

 

ただ、悪化させると骨端線の部分がはがれる「裂離骨折」を起こすこともあります。

 

また、フライバーグ病は長期的な経過になりやすいです。

 

軽視せずに、きちんと治療を受けましょう。

 

これらの症状は「体を見直した方が良い」ことを表す、いわば黄色信号です。

 

復帰時には、故障する前より良い選手になって競技に戻りたいですね。

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この記事を書いたのは…

田中陽祐(たなかようすけ)

 

柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。

包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。