【スポーツ障害】運動は中止?復帰はどんな風にする?【分かりやすい3分解説】


スポーツをしていると、様々な体の痛みが起こります。

 

「ひねった」「ぶつけた」のような突発的な理由でなくても、痛みが生じますよね。

 

スポーツ活動によって、繰り返し物理的な負荷がくわわって傷めるものを「スポーツ障害」といいます。

 

この記事では、スポーツ障害の時に練習をどうするかについて解説していきます。

 

きちんと知って、適切な選択ができれば、試合や練習への支障を最小限に抑えられます。

 

記事の中で、基本的な考え方だけでなく、具体的な対策もご案内したいと考えております。

 

できるだけ専門用語を使わずに、分かりやすく解説します。

 

最後までついてきてくださいね。

スポーツ障害、正しく認識しよう

スポーツの場面では、骨・関節・筋肉などに、普通の日常生活では掛かりえないレベルの負荷が掛かります。

 

その繰り返しの負荷が、骨・関節・筋肉・腱などに微細な損傷を引き起こし、痛みが出ます。

 

一般的な感覚で言うと、これらの痛みを「使い過ぎ」「疲労」と思ってしまうかもしれません。

 

スポーツ障害は繰り返しの外力によるれっきとした負傷
スポーツ障害は繰り返しの外力によるれっきとした負傷

しかしスポーツ障害は、れっきとした「非日常的な外力による負傷」「傷めたもの」です。

 

 

その感覚をもって治療しないと、なかなか治らずに症状が長期化してしまいます。

 

逆に言えば、きちんと「傷めている」という認識を持って対応を考えれば、早く症状を改善できます。

 

練習や試合など競技活動への支障も最低限で抑えられます。

「休む」「休まない」の2択だけ?

「競技を休みたくない」という気持ちが、症状を長引かせたり、かえって長い期間の休養を必要とさせます。

 

選手や保護者さんの頭の中に「絶対安静」か「何も変えない」の2択しかない場合が多々あります。

 

選択肢は「休む」か「いつも通り」だけではないはずです。

 

症状の程度によっては、練習メニューの中の一部を制限するだけも良いはずです。

 

また、治り具合を見ながら徐々に元の練習メニューに戻していく事も大切です。

 

出来ない事がある間は、ストレッチや、体の使い方をなおすトレーニングをすると良いでしょう。

 

そうすれば、故障前よりも良いパフォーマンスが発揮できる可能性もありますよね。

 

「転んでもただでは起きない」選手がスポーツでは強いのです。

故障中の練習メニュー、具体的な判断基準は?

では、具体的にどんな判断基準で練習メニューを考えればよいでしょうか?

 

そのために、まずは症状がどんなステージにあるかを評価する事が必要です。

 

たとえば次のようなフェーズ分けで考えてみましょう。

  • フェーズ4:安静にしても治らないので手術が必要な状態。
  • フェーズ3:日常生活でも痛みがでていて、動作に支障をきたしている(足をひきずる等)
  • フェーズ2:日常生活では痛くないが、運動中は常に痛く、他人から見ても痛みが明らか。
  • フェーズ1:スポーツ動作に支障はないが、練習の前後にやや痛みがある。

「フェーズ」というのは「局面」です。

 

つまり、症状が悪化していけば「フェーズ1」だったものが「フェーズ3」になったりします。

 

逆に治っていく時は「3」が「2」になり、やがて「1」になり、完治に至ります。

 

これなら選手自身が、自分が今どこにいるのか分かりやすいですよね?

 

同時に、治療する人や、保護者、チームの指導者の方にも現状が理解しやすいはずです。

それでは、それぞれのフェーズでどのように運動を制限すればよいでしょうか。

 

ひとつの例を示してみます。

  • フェーズ4:絶対安静。
  • フェーズ3:全メニュー中止。フェーズ2になるまでは別メニュー(柔軟性や体幹機能などのチェックと改善エクササイズ)
  • フェーズ2:ダッシュ・ジャンプなど高負荷な動作や長時間のランニングを制限。基礎トレや段階的なスキル練習を行う。
  • フェーズ1:全メニューを行う。アイシングやストレッチ、アップ、ダウンを入念に行う。テーピングやサポーターの利用。

あくまでこれらは一例です。ご自分の競技に当てはめて考えてみてください。

 

それと本来は「痛ければ一回完全に運動をストップ」してもらうのが医療機関として適切な対応です。

 

とくに小学高3~4年生くらいまでの年代であれば、痛い時は練習ストップする方が良いと思います。

 

これらの年代には、運動するうえで気をつけなくてはいけない事や、特有の障害があるからです。

 

小学生の運動上の特性や、特有の障害については、こちらの記事もご覧ください。↓

体の見直しと段階的な復帰

このようにフェーズによって管理するメリットは、段階的に練習復帰できることです。

 

いったん完全休養して、治ったらいきなりフルで練習するのだと、症状が再発しやすいです。

 

それと、他の選手と同じ練習内容を行っていて故障したという事は、体に何らかの問題があるのかもしれません。

 

通常練習ができない間も、体の使い方のエラーをチェックして改善する必要があります。

 

それは例えば、柔軟性や体幹の安定性、動きの協調性、基本的な動作スキルが出来ているか等です。

 

復帰していく過程で、これらのエラーを改善していく事は、競技パフォーマンスにとっても有用なのです。


基本的な動作スキルについて知りたい方には、こんな記事をご用意しております。↓

スポーツ障害におけるトレーナーの重要性

そうなってくると、スポーツ障害においてはトレーナーの力を借りることが重要になってきます。

 

体のコンディションを見直すには、個別に体を分析して、スポーツ動作を改善する必要があります。

体のコンディションを見直すには体の分析が必要
体のコンディションを見直すには体の分析が必要

誰にでも効果的な改善トレーニングというのはないのですが、少しでも例を示せればとも思います。

 

こちらは、私達からだラボのYouTube動画ですが、参考にはなると思うので、もしよかったら見てみてください。

 

定期的な配信を行っていますので、ぜひチャンネル登録もお願い致します。

まとめ

いかがでしたか?

 

スポーツ障害は治りにくいという印象を持っている方も多いと思います。

 

しかし、運動内容を管理して、同時進行で適切な治療を行えば、長期化させずにすみます。

 

トレーナーや指導者の方とも上手く情報共有して、早く競技復帰で切るようにしたいですね。

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この記事を書いたのは…

田中陽祐(たなかようすけ)

 

柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。

包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。



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