スポーツをしていると、様々な体の痛みが起こります。
「ひねった」「ぶつけた」のような突発的な理由でなくても、痛みが生じますよね。
スポーツ活動によって、繰り返し物理的な負荷がくわわって傷めるものを「スポーツ障害」といいます。
この記事では、スポーツ障害の時に練習をどうするかについて解説していきます。
きちんと知って、適切な選択ができれば、試合や練習への支障を最小限に抑えられます。
記事の中で、基本的な考え方だけでなく、具体的な対策もご案内したいと考えております。
できるだけ専門用語を使わずに、分かりやすく解説します。
最後までついてきてくださいね。
スポーツ障害、正しく認識しよう
スポーツの場面では、骨・関節・筋肉などに、普通の日常生活では掛かりえないレベルの負荷が掛かります。
その繰り返しの負荷が、骨・関節・筋肉・腱などに微細な損傷を引き起こし、痛みが出ます。
一般的な感覚で言うと、これらの痛みを「使い過ぎ」「疲労」と思ってしまうかもしれません。
しかしスポーツ障害は、れっきとした「非日常的な外力による負傷」「傷めたもの」です。
その感覚をもって治療しないと、なかなか治らずに症状が長期化してしまいます。
逆に言えば、きちんと「傷めている」という認識を持って対応を考えれば、早く症状を改善できます。
練習や試合など競技活動への支障も最低限で抑えられます。
「休む」「休まない」の2択だけ?
「競技を休みたくない」という気持ちが、症状を長引かせたり、かえって長い期間の休養を必要とさせます。
選手や保護者さんの頭の中に「絶対安静」か「何も変えない」の2択しかない場合が多々あります。
選択肢は「休む」か「いつも通り」だけではないはずです。
症状の程度によっては、練習メニューの中の一部を制限するだけも良いはずです。
また、治り具合を見ながら徐々に元の練習メニューに戻していく事も大切です。
出来ない事がある間は、ストレッチや、体の使い方をなおすトレーニングをすると良いでしょう。
そうすれば、故障前よりも良いパフォーマンスが発揮できる可能性もありますよね。
「転んでもただでは起きない」選手がスポーツでは強いのです。
故障中の練習メニュー、具体的な判断基準は?
では、具体的にどんな判断基準で練習メニューを考えればよいでしょうか?
そのために、まずは症状がどんなステージにあるかを評価する事が必要です。
たとえば次のようなフェーズ分けで考えてみましょう。
- フェーズ4:安静にしても治らないので手術が必要な状態。
- フェーズ3:日常生活でも痛みがでていて、動作に支障をきたしている(足をひきずる等)
- フェーズ2:日常生活では痛くないが、運動中は常に痛く、他人から見ても痛みが明らか。
- フェーズ1:スポーツ動作に支障はないが、練習の前後にやや痛みがある。
「フェーズ」というのは「局面」です。
つまり、症状が悪化していけば「フェーズ1」だったものが「フェーズ3」になったりします。
逆に治っていく時は「3」が「2」になり、やがて「1」になり、完治に至ります。
これなら選手自身が、自分が今どこにいるのか分かりやすいですよね?
同時に、治療する人や、保護者、チームの指導者の方にも現状が理解しやすいはずです。
それでは、それぞれのフェーズでどのように運動を制限すればよいでしょうか。
ひとつの例を示してみます。
- フェーズ4:絶対安静。
- フェーズ3:全メニュー中止。フェーズ2になるまでは別メニュー(柔軟性や体幹機能などのチェックと改善エクササイズ)
- フェーズ2:ダッシュ・ジャンプなど高負荷な動作や長時間のランニングを制限。基礎トレや段階的なスキル練習を行う。
- フェーズ1:全メニューを行う。アイシングやストレッチ、アップ、ダウンを入念に行う。テーピングやサポーターの利用。
あくまでこれらは一例です。ご自分の競技に当てはめて考えてみてください。
それと本来は「痛ければ一回完全に運動をストップ」してもらうのが医療機関として適切な対応です。
とくに小学高3~4年生くらいまでの年代であれば、痛い時は練習ストップする方が良いと思います。
これらの年代には、運動するうえで気をつけなくてはいけない事や、特有の障害があるからです。
小学生の運動上の特性や、特有の障害については、こちらの記事もご覧ください。↓
体の見直しと段階的な復帰
このようにフェーズによって管理するメリットは、段階的に練習復帰できることです。
いったん完全休養して、治ったらいきなりフルで練習するのだと、症状が再発しやすいです。
それと、他の選手と同じ練習内容を行っていて故障したという事は、体に何らかの問題があるのかもしれません。
通常練習ができない間も、体の使い方のエラーをチェックして改善する必要があります。
それは例えば、柔軟性や体幹の安定性、動きの協調性、基本的な動作スキルが出来ているか等です。
復帰していく過程で、これらのエラーを改善していく事は、競技パフォーマンスにとっても有用なのです。
基本的な動作スキルについて知りたい方には、こんな記事をご用意しております。↓
スポーツ障害におけるトレーナーの重要性
そうなってくると、スポーツ障害においてはトレーナーの力を借りることが重要になってきます。
体のコンディションを見直すには、個別に体を分析して、スポーツ動作を改善する必要があります。
誰にでも効果的な改善トレーニングというのはないのですが、少しでも例を示せればとも思います。
こちらは、私達からだラボのYouTube動画ですが、参考にはなると思うので、もしよかったら見てみてください。
定期的な配信を行っていますので、ぜひチャンネル登録もお願い致します。
まとめ
いかがでしたか?
スポーツ障害は治りにくいという印象を持っている方も多いと思います。
しかし、運動内容を管理して、同時進行で適切な治療を行えば、長期化させずにすみます。
トレーナーや指導者の方とも上手く情報共有して、早く競技復帰で切るようにしたいですね。
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体の使い方を修正して、痛みの出ない体を作り、パフォーマンスにつなげます。
この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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