こんにちは、田中です。
今回の記事では、高校生向けのスポーツトレーニングについて解説します。
高校生になって、はじめて学校のトレーニングルームを利用する方も多いのではないでしょうか?
各部活やチームに専門のトレーナーがいない事も多いですよね。
そうするとトレーニングの意味や目的が分からないままやっているなんて事もあるはずです。
私自身も、高校時代にあまり詳しい事が分からないままトレーニングルームを利用していました。
いま思えば、もっと効率的なトレーニングで競技パフォーマンスを高められていたかも…。
なので、今日は皆さんにトレーニングの基本を知ってもらい、具体的なやり方もご案内できればと思います。
できるだけ専門用語を使わずに、分かりやすく解説しますので、最後までついてきてくださいね。
スポーツに繋げるトレーニングの考え方
トレーニングをするにあたって、まず知っておかなければならない事。
それは、トレーニングには様々な種類があると言いう事です。
皆さんがパフォーマンス向上するための運動と、きれいな見た目の筋肉を作る運動が違うのは分かりますか?
いわゆる「ボディメイク」としてのトレーニングと、アスレチックトレーニングは違います。
スポーツ選手が行うトレーニングは、競技能力アップに特化したものでないといけないのです。
なので、どんな運動が良いか知るために、まずはトレーニングがスポーツ競技にもたらす効果について考えてみましょう。
トレーニングの効果は二つ
トレーニングの効果は大きく分けて2つあります。次の通りです。
- 大きな力を出せるようになること
- 正しい'動き'の技術が身につき、競技動作がうまくなること
1つ目の「大きい力を出せるようになる事」は想像がつきますよね?
トレーニングによって、どういう風にしたら力が入りやすいかを学べます。
また、重りを持ってトレーニングをすれば、だんだん筋肉が強くなります。
2つ目の「正しい'動き'の技術を身につける」は少し難しいかもしれませんね。
たとえば、体幹トレーニングなどはイメージしやすいでしょうか。
スポーツ動作の中で体幹が安定していると、競技に有利なのは皆さんも知っている事でしょう。
あとは、スクワットというトレーニングなども「競技動作が上手くなる」ことに繋がります。
スクワットは、股関節・膝・足首という脚の関節をぜんぶ使って、地面に力を伝える練習なのです。
地面に上手に力を伝えられれば、走る時の加速や減速、止まったり、ジャンプしたり、方向転換が上手くなります。
こういう力の使い方は「基礎的な動作スキル」といって、各スポーツの競技技術の基礎になるんです。
少し難しいですが、この話をもう少し知りたい選手の方はコチラの記事も見てみてください。↓
単関節運動と多関節運動
トレーニングルームでは、バーベルやダンベルを使ったトレーニングも行いますよね。
重りを負荷にしたトレーニングには、「単関節運動」と「多関節運動」の2種類があります。
単関節運動というのは、1つの関節だけを曲げ伸ばしする運動です。
多関節運動というのは、2つ以上の関節を曲げ伸ばしする運動のことを言います。
次の画像を見てください。
レッグエクステンションは、膝の関節の曲げ伸ばしをする単関節運動です。
反対に、レッグプレスは股関節と膝を曲げ伸ばししているので多関節運動です。
スポーツトレーニングでは「多関節運動」の方を重要視します。
実際のスポーツ動作では、2つ以上の関節を連動させることが多いからです。
なので、似たようなトレーニングがあったら多関節運動から行うと良いでしょう。
ただ、多関節運動と単関節運動を組み合わせて行うと、筋肉の量を増やすのに効果的だと言われます。
なので筋肉を大きくしたいラグビーの選手などは、単関節運動を行う場面も多いでしょう。
また、手術後のリハビリなどでは単関節運動が重要なときもあります。
OKC?CKC?なにそれ???
トレーニングは、「OKC」と「CKC」の2つに分けることが出来ます。
OKCは「オープン・キネティック・チェーン」。
CKCは「クローズド・キネティック・チェーン」です。
言葉は覚えなくて大丈夫です。
説明は後にして、結論から先に言いましょう。
2つのどちらも大事ですが、どちらかと言えばスポーツトレーニングでは「CKC」を重視したいです。
OKCとは、力を発揮して「物を動かす」運動です。
ベンチプレス(上の画像)は力でバーベルを動かしますよね。
対して、CKCは力を発揮することで「自分の体が動かされる」運動だと思ってください。
上の図で言うと、プッシュアップ(腕立てふせ)がそれにあたります。
OKC・CKCの関係は、レッグプレスとスクワットについても言えます。
どちらがどちらに当たるか分かりますか?
CKCは、運動時に体幹をより安定させなくてはいけないのが分かるでしょうか?
トレーニング時に体幹が刺激されることが、スポーツ動作時の姿勢の安定につながるのです。
きちんと競技動作にリンクさせよう
スポーツトレーニングがボディメイクと違うのは、それを競技つなげる必要があるからです。
先ほどのスクワットの例で考えましょう。
スクワットでは、股関節・膝・足首の3つが同時に力を発揮します。
それが体幹に伝わる事で体が持ち上がります。
この時に、体幹がグニャグニャだと力が体全体に伝わりません。
力の発揮と同時に姿勢を安定させることがスポーツトレーニングでは重要です。
地面を体全体で押せることが、走りやジャンプ、加速や減速の技術に繋がるのです。
皆さんはトレーニングルームでの運動を、ランニングやアジリティのドリルにきちんとリンクさせる事が出来ていますか?
いろんなスタンスでトレーニングしよう
スポーツ動作中は、スクワットのように両足が横並びにそろっている時だけではありません。
両脚がが前後に開いていたり、片脚立ちの時もありますよね。
アスリートのトレーニングは、次のような様々なスタンスで行う必要があります。
スクワット・パターン:脚をそろえて行う運動。スクワット、サイドランジなど。
ランジ・パターン:両脚が前後に開いている状態で行う運動。ランジやブルガリアン・スクワットなど
シングルレッグ・パターン:片脚でたって行う運動。片脚デッドリフト、ステップを伴うランジなど。
高校生の年代では、競技ごとの専門性に合わせた'動き'のトレーニングをします。
皆さんの競技では、どんなスタンスになっている瞬間が多いですか?
それぞれの競技にどんなトレーニング内容が必要か考える事も大切です。
大きい力を発揮するトレーニングか、素早く力を立ち上げる練習か
どんなふうに力を使うかも、競技によって違うでしょう。
たとえば、ラグビーのフォワードの選手は長い時間にわたって力強く相手を押さなくてはいけません。
一方で、卓球選手には素早いステップとショットのくり返しが求められます。
ラグビーのフォワードは、高重量のベンチプレスやスクワットによって、大きい力を発揮する技術を身につける必要があります。
反対に、卓球選手にはそのトレーニングが効果的ではない事がイメージできますか?
卓球選手はむしろ、スクワットのスタンスで素早く地面に力を伝える練習が必要です。
トレーニングは力を発揮する方法を身につける手段ですが、力の発揮の仕方は競技によって違うのです。
あなたの競技では、どんな力の発揮やトレーニングの仕方が求められるか考えてみましょう。
具体的なトレーニング方法
最後になりましたが、具体的なトレーニング内容をご案内したいと思います。
先述のとおり、トレーニングは競技や個人に合わせて個別的に行われるべきです。
あなたの競技に合うか分かりませんが、できるだけ基本的なものをご紹介します。
からだラボのYouTubeチャンネルでは、このようなエクササイズを定期的に配信しています。
もしよかったらチャンネル登録して見てみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
高校生の皆さんには少しむずかしい内容かもしれないですね。
こういうのは動画を見て実際にやってもらうのが良いと思います。
からだラボチャンネルのショート動画を活用してもらえたら嬉しいです。
トレーニングを通じて、上手な体の使い方ができるようにしましょう。
ケガを予防してパフォーマンス向上できるように応援していますね!
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質問やコメントもそちらからお願い致します。
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桐生市、みどり市、伊勢崎市の赤堀地区や前橋市の粕川地区からの患者様が多い接骨院です。
参考にした書籍はこちら↓
- アスレティック・ムーブメント・スキル −スポーツパフォーマンスのためのトレーニング/Clive Brewer (著), 広瀬 統一 (翻訳), 岡本 香織 (翻訳), 干場 拓真 (翻訳), 福田 崇 (翻訳), 吉田 早織 (翻訳)
- ムーブメントーファンクショナルムーブメントシステム:動作のスクリーニング,アセスメント,修正ストラテジー/Gray Cook (著), 中丸宏二 (翻訳), 小山貴之 (翻訳), 相澤純也 (翻訳), 新田 收 (翻訳)
この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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