ギックリ腰。
なったことがある方にとっては、思い出したくない忌まわしい言葉でしょう。
この記事にたどり着いた方は、今まさにその苦痛の中にいるのでしょうか。
大変だと思いますが、挫けずにがんばりましょう。
ギックリ腰については、結構いろんな記事があります。
ただ、皆さんが求めているよりも難しい内容の記事が多いと思います。
なので、この記事では正確性は損ないまま、できるだけ易しい解説をしていこうと思います。
お力になりたいと思いますので、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
ギックリ腰の時、腰にはどんな事が起きているか
ギックリ腰というのは、腰が痛くて動けない/動きにくい状態のことです。
なので、ギックリ腰と言う言葉で表される状態の中には、色々な疾病が混ざっています。
例えて言うなら、ひと口に「腎臓病」といっても「腎結石」もあれば「糖尿病性腎症」もある事に似ています。
それで、ギックリ腰の中にどんな疾病が混ざっているかという話ですね。
次のようなものが挙げられます。
- 腰の捻挫(ねんざ)
- 腰の筋肉を傷めた
- 腰椎分離症
- 椎間板(ついかんばん)損傷や、腰椎ヘルニア
- 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
- 圧迫骨折
- 腰そのものの痛みではなく、内臓の病気からくる痛み
発生するギックリ腰のなかで、割合が一番多いのは、①腰の「捻挫(ねんざ)」と②筋肉を傷めたです。
これらは「機能的な障害」と言えます。
骨や筋肉といったパーツが著しく壊れたとか、回復不能にはなっていない状態です。
なので比較的早く自然回復できる状態にあります。
それに対して③~⑥は「器質的(きしつてき)な障害」といえます。
骨などのパーツが物理的に壊れてしまっています。
それぞれ、発生する年代に特徴があります。
③腰椎分離症は、スポーツ学生に多いので、10代の子が急な腰の痛みで動けなくなったりしたら注意してください。
椎間板がつぶれ、それが神経に触れる④椎間板症や、腰椎ヘルニアは40~50代に起こりやすいです。
④脊柱管狭窄症は60代以降の方に多いです。
①圧迫骨折も60代以降の年配の方に多く、骨密度が低下ぎみの方はリスクが高いです。
これらは骨の損傷や変形が起きているので、腰のねんざや筋肉を傷めたものとは区別した方が良いでしょう。
治るのに少し時間を要したり、医学的な処置が必要です。
発生年代や、所見(しょけん:体の状態や徴候)が特徴的です。
私は患者さんのやり取りの中で「あやしい」と思ったら病院の受診を勧めています。
また⑦のように、ギックリ腰だと思っていたら違って、実は内臓の病気だったという事もあります。
たとえば婦人科系や腎臓・泌尿器系の病気などがあります。
これらの病気では、腰の痛み以外に他の症状がでている場合があります。
たとえば発熱や、月経の変化、排泄の異常などです。
あまり長期にわたって腰が痛い時には、骨や筋肉の問題ではない可能性も考慮してください。
皆さんの感じる「なんか普通じゃない」という直感は正しい事が多いので、その感覚を大切にしてくださいね。
ギックリ腰、どうやって急場をしのぐか?
ギックリ腰がどんな状態か分かっても、今の痛みが減るわけではないです。
とりあえず今の急場をしのがないといけないと思うので、その方法を解説していきます。
関節を傷めた「捻挫(ねんざ)」の場合は、「急性期」に続いて「回復期」が来ます。
急性期と言うのは、炎症がつよく起こっていて、ちょっとした動作でも強い痛みがある時期です。
風邪で言えば、高い熱が出たり、のどが真っ赤にはれ上がり、息をするのも苦しい時期です。
対して回復期と言うのは、炎症が収まってきたけれど、なんとなく腰が固まってしまって鈍痛があるよう時期です。
風邪で言えば、治ってきたけどまだノドの調子が少し悪いような感じ。
痛みが強い急性期に気をつける事は、次のような事です。
- できるだけ安静にする
- 炎症を緩和する工夫
- アイシングも効果的
- コルセットや腰ベルトを使う
炎症が強いのは、72時間(約3日)ほどです。
炎症期をできるだけ安静にして過ごせると、その後の治りも早くなります。
症状の強さにもよりますが、仕事を休んだり減らしてもらって、横になって過ごすと回復が早いです。
とにかく痛みの緩和に努める
炎症が痛みの原因なので、できるだけ抑えた方が良いです。
シップ薬や痛み止めも役に立つでしょう。
また、アイシングする事は、腰の捻挫や筋肉の炎症にも効果的です。
上手に冷やせると、周辺の筋肉が過剰に緊張しているのを和らげる事ができます。
うごくときの痛みがけっこう楽になる事もあります。
アイシングのやり方や注意点は、こちらの記事で動画付きの解説をしています。
お役に立つようでしたらご覧ください。↓
腰痛ベルトがあれば積極的に利用
腰のねんざの急性期には、腰痛ベルトを使って固定した方が良いです。
腰のベルトは「腹圧(ふくあつ:おなかの中の圧)」を高めることで、腰椎を保護してくれます。
ギックリ腰をすると、痛みのために腹圧が上がらない状態になります。
なので積極的に腰痛ベルトを使い、腰を保護しましょう。
ちなみに腹圧について分かりやすい解説はこちらです。↓
治りかけの微妙な時期をどう過ごしたらよいか?
炎症が収まってきたか知るために、「痛み」の程度を数字で判定するようにしてみてください。
一番痛かったときを「10」として、「3」まで下がったら炎症が収まってきたと言えるでしょう。
こういうのをペインスケールと言いますが、医療機関で痛みの経過を説明するのにも使えますよ。
ちなみに下の画像は、私がクライアントと症状の変化を共有するために使っているツールです↓
いつくらいから動いて良いかという問題ですが、痛みがあるうちは無理しない方が良いです。
前述のペインスケールが「1~2」くらいになったら、痛みのない範囲で体操などを行いましょう。
ストレッチや運動をするべきかどうかですか、炎症期が終わったら、できる事から始めましょう。
内容としては、ストレッチとかエクササイズと言うよりは、「関節の自己調整」みたいなものです。
たとえば下の動画のようなことから始めると良いでしょう。
「腰痛ベルトはいつまでしたら良いか」ですが、1~2週間はしておいた方が良いです。
人間の体は、痛みを感じると正常な体の動きができないようになっています。
変な体の使い方のクセがつかないよう、コルセットで腹圧をあげ、腰を保護してください。
よく「腰痛ベルトをしっぱなしだと腹筋が弱る」と思っている方がいます。
たしかに慢性的な腰痛の時は注意した方がいいかもしれませんが、今はそうではなく「急性腰痛」です。
足をねんざしたら包帯や装具で固定するように、一定期間ベルトを使う分には問題ないでしょう。
ちなみに、慢性腰痛でもベルトから卒業するなら「それなりの体のコンディション」を作ってからにしましょう。
コンディショニングなしでいきなり外すのは良くないと思われます。
「コンディショニング」とは何か?はこちらの記事で解説しております。
もしよろしければご覧くださいませ。↓
ギックリ腰は「ならないようにする」が大事
先ほどの慢性腰痛とコンディショニングの話からつながりますが、ギックリ腰は繰り返し起きる事がおおいです。
多い人だと、年に1~2回は急性の腰痛(ギックリ腰やプチぎっくり腰)をする人がいます。
状態が悪い人だと、靴を履くとか、顔を洗おうとして「うっ」みたいな方もいます。
こういう場合には、体に何らかの「メカニクス不良」がある可能性が高いです。
体が上手に使えない状態になっているという事です。
柔軟性がないとか、体幹が使えていないとか、様々な動作不良が症状の裏に潜んでいます。
体の状態を改善すると、ギックリ腰を繰り返すリスクを下げることが出来るでしょう。
それと、既往歴(きおうれき:ケガや病気の履歴)も腰痛に関係します。
たとえば、学生に腰椎分離症をした人や、膝を脚をつよく傷めたことがある人は、腰のトラブルを抱えやすいです。
こういった場合は、とくにギックリ腰や腰痛にならないように体のケアをした方が良いです。
そんなに難しいエクササイズやハードな運動はいりません。
たとえば下の動画のような事で良いので、取り組んでみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか?
トラブルの対処法は見つかりましたか?
ギックリ腰は、仕事の生産性を奪うばかりか、日常生活まで困難にしてしまいます。
無理せずしっかり治して、再発を予防しましょう。
あなたの腰が早く良くなることを願っています。
ギックリ腰の治療・再発防止なら、桐生市新里町の「にいさと接骨院×からだラボ」へ。
症状緩和と根本治療に「トータルケアコース60分」がおススメです。
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桐生市、みどり市、伊勢崎市の赤堀地区や前橋市の粕川地区からの患者様が多い接骨院です。
この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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